マイクロプラスチックが私たちに与える影響とは?

毎日大量に海へ流れ出るプラスチックごみ。
私たちの生活を便利にしている一方で、多くのプラスチックごみを排出し、海を汚す原因となっています。

同時に、マイクロプラスチックというものも、私たちの生態に危険を及ぼす可能性があることが話題になっています。
マイクロプラスチックとは何か、そして、私たちに与える影響とは何か?について調べてみました。


海に流れ出る大量のプラスチックごみ

使い勝手がよく安価で製造できるという利点があるため、プラスチックは生活のあらゆるところに活用されています。

下の図を見ると、生産されたプラスチックのうち約61.1%は「使い捨てが想定されるプラスチック」であり、その中の43.1%がフィルムやシート、14%が容器類、4%が発砲製品です。

陸で生活している私たちは、海のごみとは一見無関係に感じることもあるかもしれません。しかし、この調査結果のように、毎日の生活で使っている容器やビニール袋などが、海を汚す大きな原因となっているのは確かです。


WWF「海洋プラスチック問題について」より

WWFによると、すでに海にあるプラスチックごみは1億5,000万トンで、そこに年間800万トンの新たなプラスチックごみが海へ流れ出ていると推定されています。

海に大量に流出するプラスチックごみ。
年間800万トンと聞くとイメージが湧きませんが、これはジャンボジェット機5万機相当にあたるようです。これはすごい量だ。。

危険視される*マイクロプラスチック

最近では、プラスチックごみから生まれるマイクロプラスチックの問題も深刻になっています。

<マイクロプラスチック>
5㎜以下まで細かく砕かれたプラスチックの細かい粒のこと。
プラスチックごみが数年~数百年という時間をかけて海を漂い、紫外線や衝突などによって少しずつ細かくなり、マイクロプラスチックとなります。

マイクロプラスチックは、海の生物がエサと間違えて体内へ取り込み、食物連鎖をとおして多くの生物の体内に入ります。中には、胃に蓄積されたマイクロプラスチックによって餓死してしまう鳥やウミガメが増えており、生態系に深刻な影響を及ぼすと言われています。

食物連鎖とともに海の生物の体内に取り込まれるマイクロプラスチックは、魚介類を食べる私たちの体内にも入っている可能性があることが分かっています。体内に入ることによる悪影響については、現在さまざまな研究機関や大学教授たちが研究を重ねている最中ではありますが、取り返しのつかないことになる前に私たち一人ひとりができることは何か? ということを考えていきたいですね。

マイクロプラスチックについては、こちらの詳しいサイトをご覧ください。
マイクロプラスチックとは WaterStandコラムページより
マイクロプラスチック問題って? データで見るその現状と世界の動き データのじかん by WingArc1stより


マイクロプラスチックの研究

マイクロプラスチックの実態を調査するために、様々な研究機関が日々調査を行っています。しかし、5mm以下という非常に小さな形状であること、そして、海は常に流動的であること、そして、広大であることなどの理由から、原因調査は簡単なことではありません。

東京大学未来社会協創推進本部(FIS)によるマイクロプラスチックの実態調査では、マイクロプラスチックが海面から海底にまでの縦方向にどのように分布しているかを調べる調査を行ったりしながら、実態解明を少しずつ進めているようです。

【増え続ける海洋ごみ】マイクロプラスチックが人体に与える影響は?東京大学教授に問う(特集第3回)より

このような調査には、大型の装置や船が必要ですし、船を操縦する人、調査内容を把握する人、装置を動かせる人など、さまざまなスキルを持った人がチームとなって動かなければなりません。
私たちが生み出した海ごみ問題はこのように、多くの人手と手間をかけて解明されなければならない局面まで来ているのです。


プラスチックごみを減らすために私たちができること

海に流れ出るプラスチックごみの大半は、私たちが日常生活で出している「使い捨て」のプラスチックごみです。
便利であるという点に大きな良さがありますが、使い方、捨て方によっては、海を汚す可能性が大いにあるものであることを、私たち一人ひとりが意識していかなければなりません。

「プラスチックの使用を我慢する」ということではなく、「プラスチックでなくても大丈夫」な方法はないものでしょうか?それを、私たちが工夫して見出していくことで、海が少しきれいになる道が開けていきます。

また、プラスチックを使ったら、どういう風に捨てればよいか?ということも考えていきたいところです。

「プラスチックそのものは決して悪いものではありません。むしろ私たちの生活に恩恵をもたらしてくれるものとも言えます。また、現在世界的に問題となっている新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえると、プラスチック製品を使わないで,安全で的確な医療活動を行うことは難しい。重要なのは、『代替可能なものはできるだけプラスチックを使わないようにする』『使ったプラスチックが環境中に流出しないように適切に処理する』という取り組みです。マイクロプラスチックの影響は未知な部分が大きいですが、長期的な問題になることは明白。私たちの子どもや孫、その子孫のためにも『今』、海を守るアクションが必要なのです。

【増え続ける海洋ごみ】マイクロプラスチックが人体に与える影響は?東京大学教授に問う(特集第3回)より



私たち一人一人が環境問題を自分の事として考え、できることから始めてみましょう!

Leave a Reply

CAPTCHA