環境負荷が低く、抗菌・消臭効果で大活躍する「セルロースナノファイバー」

自然由来で環境負荷が低い「セルロースナノファイバー」。環境問題の解決とともに社会課題も解決するひとつの糸口として大変注目されており、機能性の高い「紙おむつ」となって高齢化社会でも活躍しています。

高齢化社会を生きる素材「セルロ-スナノファイバー」

「セルロースナノファイバー」 は、植物の繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで得られる最先端の素材です。「軽い」「強い」「硬い」「吸収性が高い」などの様々な特徴があり、従来よりも高性能な工業製品や塗料が生産できます。また、人体と拒絶反応を起こしにくいことから、食品・化粧品添加物、人工血管や人工腱など医療現場への応用も期待されています。

セルロースナノファイバーの紙おむつは「抗菌・消臭効果のある金属ナノ粒子を、素材の表面に合成させる」ことが可能で、従来製品の消臭効果をはるかに上回る製品が実現しています。肌ケアアクティでは、便の消臭効果は従来商品の3倍、大腸菌の残存数は一般的なシートと比較して約200万分の1という結果が出ています。

日本衛生材料工業連合会による統計結果によると、大人用紙おむつの生産数量は年々増加し、2018年の時点で、83億枚を上回る生産量に達しています。今後もますます増えることが予想されます。臭いをやわらげてくれる紙おむつがあれば、介護をする方たちも、紙おむつをつけるおじいさんおばあさんも、みんながより快適に過ごせますね。

セルロースナノファイバーはどこで開発されてる?

セルロースナノファイバーの研究開発がさらに進み、より高性能な製品が普及すれば、みながハッピーで持続可能な社会の構築に大いに役立つでしょう。先ほどご紹介した「肌ケアアクティ」は、日本製紙クレシア株式会社が発売しています。セルロースナノファイバーを使用した製品開発に力を入れている会社のひとつです。紙おむつにとどまらず、化粧品の添加物や食品添加物への応用など、多業界への拡大を試みています。

ほかにも、新たな製品開発をとおして環境保全に貢献している会社はたくさんあります。スーパーやホームセンターで手にした製品の裏側を見ると、企業からのたくさんのメッセージが書かれています。たくさん読んでいくと応援したい企業を知るきっかけになるかもしれません。

環境にやさしい素材の選択・開発を通して海をキレイにする

私たちが知らない間に次世代素材の開発は始まり、多くの人とお金と時間をかけて商品化が進められます。今回ご紹介したセルロールナノファイバーは、人の生活を便利にするだけではなく環境負荷が低い素材としても、多くの可能性を秘めています。
海をキレイにしたい!と考えているのであれば、環境負荷の少ない商品を見つけ、自分のライフスタイルに取り入れていくことは、始めやすくておすすめです。また、消費者としてではなく、生産者としてそういった会社に所属するのもいいかもしれません。ひとりでは解決できないことを、スケール感をもって成し遂げられることは、会社に所属する醍醐味のひとつです。