水と生物の、新鮮なコントラストを見る水族園+写真34枚【愛知県知多郡・南知多ビーチランド】

2022年5月、情報収集をしていると「水族園」という言葉が目に止まった。水族館ではない水族園とはなんだろうか。次の目的地はすぐに決まった。愛知県にある南知多ビーチランドだ。

蒸留酒を想いながら、南知多ビーチランドを目指す

朝から降っていた雨は止み、残ったオフホワイトの雲が濃淡なく空一面を覆っている。車に乗り込み、蒲郡市を出発して南知多へ向かう。ラジオからは奄美地方の梅雨入りに関する情報が流れている。

窓の外は木々に挟まれた山道。県道41号線を西へ走りながら、知多で知っていることを考えてみる。初めていく場所なので思い出はないが、聞き覚えがあるのは何故だろう。そうだ、ウィスキーの銘柄で「知多」があるのを思い出した。今度お店で見つけたら飲んでみよう。同時に、人の消費意欲が芽生えるキッカケを一つ体感できた事に気づく。今後の仕事に活かせるかな、などと考えながら流れていく景色を楽しむ。外の景色は平坦な街中に変わっていく。しばらく走っていると衣浦トンネルに差しかかった。抜けた先はいよいよ知多半島、そして南知多ビーチランドだ。

伊勢湾を右手に見ながら15分程走る。コンビニエンスストアの脇を右へ曲がり、駐車場に到着。800円を支払い車を停める。クルマを降り、両手を頭上に組みながら体を伸ばす。運転で固まっている体をほぐしながら、鼻から目一杯空気を吸い込む。潮の香りにより、海岸が近いことを感じられる。あとで散歩に行こう。見渡すと広い空。空を覆っている雲は薄くなっている。この後は晴れそうな予感だ。

アミューズメントパークのような、南知多ビーチランド

入口へ向かうと、ペリカンに出迎えられる。近づいたら「ヴァー」と筒から声を出しているよう籠もった鳴き声を出してきた。「よく来たね、楽しんでね!」と言ってくれているに違いない。うん、きっとそうに違いない。入館料1,800円を支払い、いよいよ中に入っていく。

ゲートを通ると、噴水のある広いスペースに出る。イルカのモニュメントは常滑焼で出来ている。常滑焼は、東京駅の赤レンガにも使われていると後で知った。およそ400km離れた場所同士のつながりに尊さを感じる。奥の建物に「海洋館」と書いてある。どうやらあの中に展示があるようだ。

中に入ると天井は高く、壁はネイビーに塗られている。左手に見える大きな物体はなんだ?理解していない状態で少し進むと、ウミガメが空中を泳いでいるように見える。そうか、これは深海に沈んでいる古い海賊船のある世界だ。海賊映画に出てくるタコの強烈なキャラクターを思い出す。大好きなシリーズ。今、あの世界にいるんだと思いながら見る展示は、映画の質感を超える。

進んでいくと建物の反対側に出た。あれ、また広いスペースに出た。右手から「ヴォー」と野太い声が聞こえる。ペンギンが鳴いているのか。「よく来たね、楽しんでね!」と言ってくれているに違いない。うん、きっとそうに違いない。

いつの間にか、雲がとれて空は晴れている。進んでいくとカメ、イルカ、アシカ、カワウソ、その他にも様々な生物がいる。青空の下で観察ができるのは気持ちがいい。太陽の光の下では、水と生物の色がはっきりしており、新鮮なコントラストが目に入ってくる。室内展示とは違う発色に網膜が刺激され、不思議な心地よさだ。

プールでイルカが泳いでいるのを、手が届きそうな距離で観察できる。流線型のデザインは、水中を泳ぐのに適応していると分かる。濡れた体の表面はツルッとしながら、しっとりと漆塗りのようにも見える。太陽の光を反射させながら、ゆったりと泳ぐ姿は美しい。見ているとつい時間を忘れてしまう。

広い敷地を進んでいると「水族園」の言葉を思い出した。確かに水族館ではない。建物の中だけで完結していないのだ。建物の中での展示もあれば、広い敷地の外にも生物がいる。なるほど,水族園と呼ぶことに膝を叩くような気持ちになりながらクルマへと戻る。

そういえば、海岸が目の前だと思い出した。伊勢湾を見に行こう。南知多ビーチランドのゲートを出る。駐車場から歩いて5分、奥田海水浴場に到着。右手の奥に大きな橋が見える。マップアプリで確認すると、中部国際空港のようだ。Tシャツでもじんわりと汗ばむ陽気、そよそよとした南風が気持ちいい。汐の香りを楽しみながら、護岸の先端まで歩く。海上にペットボトルが浮いている。うん、あれを無くすのが、このサイトでやりたいことだ。

これまで訪れた水族館は、いずれも展示にストーリーがある。分かりやすく伝えるために、展示に順路を示していることが多かった。限られたスペースで工夫を重ねている形だ。それに対して、南知多ビーチランドは広い敷地を活用した展示が魅力だ。室内では映画の世界に入り込んだような展示。空の下、広い敷地を好奇心が向くままに動き回れる。まるでアミューズメントパークのようだった。

南知多ビーチランドを写真で紹介

南知多ビーチランドの入場料・アクセスなど

【施設名】
南知多ビーチランド

【入館料】
おとな(高校生以上)1,800円 / こども(2歳以上)800円

【開館時間】
午前9時30分から午後4時 or 午後5時まで

【アクセス・連絡先】
〒470-3233 愛知県知多郡美浜町奥田428-1
TTEL/0569-87-2000 FAX/0569-87-3776

この記事を書いた人

大橋哲郎 / 海と人をつなげる編集者
大橋哲郎 / 海と人をつなげる編集者OH! OCEAN 編集長
海をキレイにしたくて、ライティングやWebディレクションやコンテンツ制作をしています。
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